三洋電機は2009年からパナソニックの子会社になりましたが、それ以前の三洋電機 とシャープとを比較します。
まずは2003年の貸借対照表と損益計算書を図示します。
このころは三洋電機とシャープは同じレベルの規模ですが、三洋電機の方がやや大きいことが分かります。しかし、利益剰余金を見てみると、シャープの方が何倍も大きいです。また、有利子負債ですが、シャープは総資産のうち20%程度ですが、三洋電機は40%もあります。つまり、三洋電機は利益剰余金が少ない=儲かっていない上に、有利子負債が多い=借金が多い状態だったと言うことになります。
これが2007年にははっきりとした違いとして両社に現れます。
わずか4年の間にシャープは三洋電機の2倍近く大きくなっています。三洋電機の売上高は2003年と比べてほとんど変化がありません。 有利子負債の総資産に占める割合は若干減りましたが、まだ30%ほどあります。なにより、利益剰余金が大幅にマイナスになってしまっています。2003年には利益剰余金があったにもかかわらず、ここまで落ち込んでしまったことがよく分かります。
三洋電機のキャッシュ・フローを見てみます。
2003年 | 2007年 | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 86,371 | 106,835 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △ 91,356 | △ 36,265 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △ 33,305 | △102,306 |
投資活動によるキャッシュ・フローを極力プラス方向に持っていこうとしているのが分かります。有形固定資産の購入を控えると共に、有価証券を売却しています。また、財務活動によるキャッシュ・フローはマイナスを大きくしています。これは短期借入金、長期借入金を控えているからです。また、配当金支払いも減らしています。
三洋電機は多額の有利子負債を抱え、利益剰余金はマイナスとなってしまいました。その結果、あの手この手で借入金の返済を行って財務体質を改善しようとしていることがうかがわれます。