◆収益性
三菱自動車の売上高の回復が大きいです。他社は10%前後。
富士重工は4%を上回っており、良いパフォーマンスですが、マツダはマイナスとなっておりかなり厳しいです。
90年代初頭の製造業平均は約2.3なので富士重工のみよいパフォーマンスです。
◆効率性
全社とも2011年には似たような値を記録していますが、130%以上と良い値です。
単に売上高が低すぎるのかもしれませんが。
90年代初頭の製造業平均は0.97です。
90年代初頭の売上総利益率の製造業平均は20.7%ですから、全社とも低い値です。
売上原価が高すぎるか、販売時のマージンが低すぎるかもしれません。特に三菱自動車です。
販売費及び一般管理費の売上高に占める割合は各社とも低下傾向です。特に三菱自動車は低いです。
全社とも似たような値に収束しつつあります。
1カ月未満~2か月ほどと比較的短いです。
◆安全性
流動比率、当座比率とも上昇傾向です。
流動比率はマツダと富士重工は110%前後と少し余裕はある程度ですが、三菱自動車は100%を割ってしまっています。当座比率は全社とも100%を割ってしまっており、短期の資金繰りが不安です。
90年代初頭の固定比率の製造業平均は110%程ですから、マツダと三菱自動車は平均並みです。
富士重工は低い値で抑えています。
長期適合率は全社とも100%以下ですが、三菱自動車はかろうじで2011年に100%以下に駆け込んでいます。マツダと富士重工は徐々に値を低下させています。
◆まとめ
ここまでをやや直感的にまとめると以下の表のようになります。
収益性 | 効率性 | 安全性 | 備考 | |
マツダ | × | ○? | △ | ・販売費及び一般管理費がやや高い。 |
富士重工 | ○ | ○? | ○ | ・当座比率をもう少し上昇させたい。 |
三菱自動車 | × | ○? | × | ・売上高の回復が早い一方で収益性があまり回復していない。 ・長期・短期の資金繰りとも心配。 ・売上原価が高いか、販売時のマージンが低い。 |
今後の課題はこんな感じでしょうか。
マツダ | 効率性が良く見えるのは売上高が落ち込み過ぎたせい? 販売費および一般管理費を抑えたい。固定比率が高まっているのが気になる。 |
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富士重工 | 効率性が良く見えるのは売上高が落ち込み過ぎたせい? 当座比率をもう少し上昇させたい。固定比率、長期適合率を低く抑えられているが、 将来投資はどうなっているのだろうか? |
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三菱自動車 | 効率性が良く見えるのは売上高が落ち込みすぎたせい? 売上原価が高いか、販売時のマージンが低いかしており、売上の回復に伴って利益が さほど回復していない。財務の健全性確保にも努めたい。 |